モーターシャフトの切削加工
モーターシャフトは、モーターの回転力を機械や装置に伝える重要な部品です。
モーターの心臓部といえる回転部分と外部の機械要素を繋ぐ役割を果たし、その精度や耐久性が機械全体の性能に大きく影響します。
こちらの記事では、モーターシャフトの形状から切削加工における
ポイントまで解説いたします。
モーターシャフトとは
モーターシャフトは、主に電動機や発電機、各種産業機械、さらに自動車のエンジンや駆動系で広く使われているため、長時間の使用や高回転運動に耐えることができるよう設計されています。
モーターシャフトの品質は、モーターの効率や寿命を左右するため、使用される材料や加工方法が非常に重要です。
代表的な材料には、鋼、ステンレス、合金鋼などがあり、それぞれの用途に応じた選定が必要となります。
強度や耐摩耗性、腐食耐性などが求められるため、加工の際の精度が特に求められます。
モーターシャフトの形状と用途
1.ストレート形状
ストレート形状は、モーターシャフト全体が一定の直径で構成されている最も基本的な形状であり、
一般的な産業機械や小型モーターに広く使用されます。
シンプルな構造で、低コストで製造が可能でトルクの伝達が均等なため、
コンベアやファン、送風機などの安定した性能が求められる設備部品によく使用されています。
2.ステップ形状(段付き形状)
ステップ形状のモーターシャフトは、異なる直径の段差が複数あるシャフトで、
段ごとに異なる機械要素を取り付けることができる形状になります。
複数の部品を固定する必要がある機械や、異なる径のベアリングやギアが必要な場合に使用されます。
精密機器や工作機械のモーターでは、異なる部品を一つのシャフトに取り付けて機能させるために、
ステップ形状がよく採用されます。軸受け部分や回転部品の位置決めに最適です。
3.テーパード形状
テーパード形状は、先端に向かって直径が徐々に細くなる円錐形のシャフトです。
この形状により、部品が圧入され、しっかりと固定することが可能です。
プーリーやローターなどの部品を確実に固定する必要がある場面で用いられます。
特に、高トルクがかかるモーターにおいて、部品の滑りや位置ずれを防ぐために有効です。
また、取り外しが容易なため、メンテナンスが必要な装置でも使用されています。
4.フラット形状
フラット形状は、モーターシャフトの一部が平らに加工されている形状で、
セットスクリューやその他の固定具をしっかりと固定するために、
小型モーターや精密機器、電子機器でよく使用されます。
フラットな面があることで、部品が回転中に動かず、正確な位置に固定されるため、
細かいトルク制御が必要な装置に適しています。
5.キー溝付き形状
シャフトの外周に細い溝が刻まれており、これを「キー溝」と呼びます。
キー溝にはキー(キーウェイ)が挿入され、部品をしっかり固定します。
プーリーや歯車などの機械要素をしっかりと固定し、滑りを防ぐために使用されます。
キー溝付きシャフトは、正確なトルク伝達が必要な産業機械や駆動装置に広く用いられ、
振動や衝撃の多い環境でも部品がずれないようにする効果があります。
モーターシャフトの切削加工におけるポイント
モーターシャフトは、長時間の使用や高回転運動に耐えることができるよう設計されています。
ここでは、モーターシャフトの切削加工におけるポイントについて解説いたします。
1. 素材の選定と熱処理
モーターシャフトの素材は、使用条件や用途に応じて選定されます。
一般的には、耐久性や耐摩耗性に優れた鋼やステンレス鋼、合金鋼などが使用されます。
切削加工前に適切な素材を選定することで、最終製品の性能を向上させるだけでなく、
切削後のシャフトは、必要に応じて熱処理を行うことで、強度や硬度をさらに高めます。
特に、硬化処理や焼戻しを行うことで、耐摩耗性や耐疲労性を向上させることが可能です。
2. 高精度な加工機械の使用
モーターシャフトは、非常に高い精度が要求されるため、加工には高精度な機械が必要になります。
一般的に、CNC旋盤や研削盤を用いてシャフトを加工します。また、研削液の温度管理も行っています。
これにより、当社では±3ミクロン精度での加工が可能であり、
モーターやベアリングと正確にフィットするシャフトを製造できます。
特に、寸法公差が厳しい場合や高速回転が要求されるモーターシャフトでは、
こうした精度が高い加工機械を使用することが非常に重要になります。
3. 表面仕上げ
シャフトの表面仕上げは、切削加工の最終工程において極めて重要な要素です。
研磨加工を施すことで、表面粗さを徹底的に低減し、精密な仕上がりを実現します。
研磨加工によって、表面性をコントロールすることで、
ベアリングやギアなどとの嵌合性や耐摩耗性が向上します。
その結果、モーターの振動が低減され、性能が高まります。
4. 公差管理
モーターシャフトの切削加工では、非常に厳しい公差管理が求められます。
特に、シャフトの外径や同軸度、真直度は、モーターの性能に直接影響します。
公差を厳密に管理することで、過剰な振動や騒音を防ぎ、長寿命で安定した動力伝達を実現できます。
また、加工工程ごとの工程能力に応じた精密測定を行い、安定した要求品質を維持しています。
モーターシャフトの切削加工は、特注シャフト・スリーブ加工.comにお任せください!
今回はモーターシャフトの形状・切削加工におけるポイントについて解説しました。
モーターシャフトは精度や耐久性が機械全体に大きな影響を与える重要な役割を担っています。
当社では、モーターシャフトをはじめ、様々な形状のシャフト加工に対応しており、品質管理体制も万全です。
モーターシャフト加工がお困りの方はお気軽にご相談ください。