シャフトの種類と加工方法
シャフトは回転運動やトルクの伝達、位置の保持などを行うための軸の役割を担う部品になります。
シャフトの種類は使用用途によって多岐に渡るため、当記事ではシャフトの種類から加工方法について解説いたします。
シャフトの種類
段付きシャフト
段付きシャフトは、一般的な円筒状のシャフトとは異なり、特定の目的に応じて段差が設けられたシャフトです。この段差によって、トルクや負荷が適切に分散されます。
自動車のエンジンやギア、モーターなどで幅広く使用されています。
中空シャフト
中空シャフトは内部が空洞になっているため、同じ外径の中実シャフトに比べて軽量ながらも、強度や剛性を維持し、トーション剛性や振動吸収性にも優れています。
主に電気自動車や航空機、産業機械の分野で活用されています。
スプラインシャフト
スプラインシャフトは、シャフトの外周に歯車状の溝が刻まれたシャフトで、他の部品と噛み合うことで、大きなトルクを効率的に伝達することができます。
産業機械や自動車のドライブシャフト、駆動用モーターなどで広く使用されています。
セレーションシャフト
セレーションシャフトは、外周に浅く細かい山形の歯が等間隔で刻まれたシャフトです。
製造コストが比較的低く、低〜中程度のトルク伝達に適しており、部品との滑りやズレを防ぐのが特徴です。
モーターシャフト
モーターシャフトは、電動モーターの出力を回転運動として伝える役割を持つシャフトです。
自動車のエンジンや産業機械、家電など、耐久性と強度が求められる幅広い用途で使用されており、長時間の使用や高回転運動にも耐えられるように設計されています。
OA シャフト
OAシャフトは、主にプリンターやコピー機などのオフィス機器に使用されるシャフトです。これらの機器では、高画質で短時間の印刷が求められるため、低騒音・低振動で精密かつ安定した動作が必要です。
また、軽量ながらも優れたトルク伝達能力を持っているのが特徴です。
トランスミッション用シャフト
トランスミッション用シャフトは、主に自動車のエンジンから車輪に動力を伝えるシャフトで、エンジンの回転力を変速機を通じて適切なトルクに変換し、車軸に伝達する役割を果たします。
シャフトの加工方法
旋盤加工
旋盤加工は、素材を回転させながら削ることで、精密に円筒状の部品を成形する加工方法です。
旋盤加工の最大の特徴は、円筒形状の部品を高精度に加工できる点です。
さらに、表面の仕上がりも非常に良好なため、回転しながら削ることで、素材全体に均一な力がかかり、非常に滑らかな表面を得ることができます。
研削加工
研削加工は、セラミックなどで作られた研削砥石を高速回転させ、工作物の表面を微細に削り取ることで、数ミクロンレベルの精度でシャフトの表面を高精度に仕上げる加工方法です。
エンジンやモーター内部の回転軸のような僅かな誤差が製品全体の性能に大きく影響する部品において、研削加工はなくてはならない技術です。
ブローチ加工
ブローチ加工は、ブローチと呼ばれる特殊な切削工具を使用し、連続的に素材の表面を削りながら目的の形状を作り上げる加工方法です。
ブローチは、多段階に設けられた複数の切削エッジを持つ長い工具で、工具が素材を通過するたびに少しずつ削り、最終的な形状を完成させます。
一般的な旋盤やフライス加工では何度も加工を繰り返す必要があるような形状も、ブローチ加工では一回の操作で完成させることが可能なため、これにより生産効率が向上し、大量生産においても均一な品質を保ちながら短時間で加工することができます。
当社のシャフト加工事例
中空シャフト
こちらは中空シャフト（自動車部品）です。切粉がワークに巻き付くのを防ぐため、分断加工を行っています。
ワークが中空で剛性が低いものの、センター押し機構を備えた専用旋盤を使用し、一気に加工することで高い精度を確保しています。
スプラインシャフト
こちらはスプラインシャフトです。
当初、ブローチ加工やスプライン加工で、バリが発生しやすい形状でしたが、バリが出にくい形状へのVE提案を行い、バリ取りの工数削減や工具の寿命延長によりコストダウンを実現しました。
ミッション用シャフト
こちらは、ミッション用のシャフト（自動車部品）です。
二面幅の部分をエンドミルで加工するには40秒かかりますが、ブローチ加工を用いることで24秒に短縮しています。
また、二面幅部とクロス穴部のエッジバリは、社内で設計・製作したバリ取り加工機を使って処理することで、サイクルタイムをさらに短縮しています。
シャフトの加工なら、特注シャフト・スリーブ加工.comにお任せください！
いかがでしたでしょうか。こちらの記事では、シャフトの種類や加工方法について、解説いたしました。
特注シャフト・スリーブ加工.comでは、専用機と汎用機の組み合わせによる最短 加工時間を追求した量産体制を整えています。また、試作専用のCNC旋盤・研削盤を保有しており、試作から量産まで一貫対応することが可能です。
シャフト加工をご検討中の方は、当社にお気軽にお問い合わせください。
